『陰陽伝』レビュー♪【1】『陰陽伝』レビュー♪【1】 ********************************************************************************** ☆月がらすさん☆ 【小説『陰陽伝』を読んで】 はじめに結論から言っておきますと、この『陰陽伝』おもしろい小説でした。 この小説はちょっと変わったいきさつで購入することになりました。 それは偶然あんじぇさんと言う方のブログを訪問したからです。 あんじぇさんこと覇耀(はたがしらよう)先生は、ご自分のデビュー作である小説『陰陽伝』を出版する過程をブログで綴っておられました。 このブログは淡々とした商業的なものではなく、小説を出そうと思ったいきさつや、出版社との交渉の様子を魅力的に綴っていたので、すぐに私あんじぇさんのブログをお気に入りに追加しました。 ブログを3日読み、4日読み、このブログがおもしろいと思った私のカンは正解でした。 そして私はこんな魅力的なブログを書く人ならば、おそらく小説も面白いだろうと判断して、この『陰陽伝』を購入することを決めたのです。 『陰陽伝』は戦国時代を舞台にした、アダルト向け(18禁)奇伝小説です。 しかし、アダルトといってもストーリーがおざなりで、性描写のみを重視した作品ではありません。 ジャンルはアダルトですが、娯楽小説としてきちんとストーリーやアクションが展開される、きちんとしたテーマが存在する小説です。 私にはこの小説のテーマは「はつらいことがあっても前向きに生きていくことができる」といったもののように思えました。 まあ、この感じ方は私個人のもので、人によってそれぞれ感じ方は違うと思いますので、是非ご自分で読んでみることお薦めします。 いろいろな感じ方を見出すことができる小説だと思います。 … … … さて、おもしろい、魅力的とばかり書いていると、私のブログだけを見ている方には、かえってうさん臭く思えてしまうかもしれませんので僭越ながら『陰陽伝』のマイナス点も書こうと思います。 マイナス点は『陰陽伝』を読みながら「この部分をもう少し表現してほしい」「この設定は違う設定にしても良いのでは」と思ってしまう点がいくつかあったことです。 ↑注、あくまでも個人的な感想です。芸術作品として『陰陽伝』は評価できる小説です。 こういったことはいわゆる名作といわれる作品には、読んでしばらくたったからはともかく読んでいる最中には、まったく感じないことです。 名作は余分なことをまったく考えずただ作品の世界におぼれるのみです。 デビュー作を巨匠の名作と比べるのは酷だとは思いますが、同じプロの作品としてマイナス点を書かせていただきました。 しかし、もう一度言いますが『陰陽伝』はおもしろい小説でした。私はおもしろい小説を読んでいると、文字を追っていると言うより画像を追っているような感覚に陥ることがあるのですが、『陰陽伝』もその感覚が訪れました(^-^)。 そして、文字を目で追う心地いいリズム、妖しい世界観、無言の優しさなど数々の美点もある小説ですので、奇伝小説好きの方、怪しい世界観が好きな方、本好きの方には、おすすめできる小説です。 ☆がまくん2006さん☆ 【本好きがまのお友達,あんじぇさんが本を出しました~~~】 一気に読んだ。 文を追う眼がページをめくる手を追い立てる。 スピード感あふれる場面展開。 歯切れよく,眼に心地よく,文字が走る。 目に浮かぶのは,艶やかさと呪わしき運命を背負って生まれた者。 紫野の苦悩に満ちた姿。 紫野が持つ,「陰陽併せもつ者」の底知れぬ力を求め, 尊厳を踏みにじる男達。 紫野自身も知らぬその力とは? あああ。先が知りたい。。。その先は? 走る,走る。はしる。 眼も心も。。 およそ2時間。わたしは,あんじぇさんこと,覇 耀(はたがしら よう)氏の作り出した世界にどっぷりはまっていた。 紫野の力を求める丞蝉。 天地を操る絶大な力を得るため,紫野の体を力で征服する。 しかし,そのためには「愛」が必要なのだ。 心を引き裂かれそうになりながらも,耐える紫野。 紫野の「愛」を手に入れるべく策を弄する丞蝉。 紫野の持つ絶大な力を解放し,己のものとするため,紫野の心と体を求める。 しかし,いつしか,紫野自身の「愛」をひたすら求めるようになる。 それは,ある意味,己のうつろな部分を必死に埋めようとする姿であったのかもしれない。丞蝉自身の存在意義を探る行為であったかもしれない。 いびつで,残酷な,グロテスクな求愛だが,そして決して叶わぬ想いを求め続ける,これは,純愛そのものではないのか。 丞蝉という,徹底した悪の中の人間らしさ。 ちらちらと垣間見る,こうしたものが物語を盛り上げていると感じる。 主人公の紫野を取り巻く者たち。 おさななじみであり,ともに修行をする疾風と聖羅。 紫野をひたすら慕う,可憐な雪。 村を訪れる旅の薬売り,高香。 それぞれが秘めた想いを持ち,己の在り方に苦悩する。 「陰陽伝」は,若者の自立の物語でもある。 『人間の生は「性」にあり。生きる源は「愛」にある!』 『与えし者が,与えられる者となり,授かる者が授けるものに転ずる意味。 それを知る者は,真に心の自由を得る』 のではないか。。。 「陰陽伝」はせつなく,激しい「純愛物語」だ。 だから,性描写がふんだんにでてくる。 「25歳以下禁」と作者が自らに言わしめる所以は,そのシーンの耽美さにあるだろう。 単なるエロで終わったら,もったいない。 全編を通じて,ビジュアルが浮かぶ。 緩急に富む場面展開と巧みな表現は,読む者を紫野の住む世界に一気に引き込むだろう。 本書は, 伝奇物語のカタチを借りたヒューマンな作品だと,わたしは思う。 読む人が変われば,感じるものは変わる。 あなたは,どう感じるだろう。 もう一回,言います。 単なるエロで終わったら,もったいない。 そんな本である。 おもしろいよっ 一言で言うと,それにつきます。 ☆emy&acoさん☆ 【「陰陽伝」を読み終わって・・・・・最初に思ったこと。】 もうっ!作者の「S」っっっ!! 主人公を何もそこまでいじめなくっても!!!!! 官能・・・って言うかバイオレンス?! と思うほどに、 そういうシーンがしっかり描かれていたのには本当にびっくり。 あまりこういう感じのお話を読んだ事がなかったので 免疫がなかったのかもしれません。 特に私みたいな「読んだらすぐ映像化」しちゃう脳には。。。 《《 処女的衝撃 ヴァージン・ショック! 》》 でした! (ここで『シブガキ隊』を思い出したあなたは・・・、たぶん同じ30代ですね♪) 特に陰陽伝の前半を読んでいたら、なぜか 以前、自分が職場であってたセクハラを思い出し、・・・ムカついた! 私はかなり主人公に感情移入して読むたちなので 小説の場面をむちゃくちゃ想像してしまって。 「こ、これは・・極限まで達したセクハラ?!」 可哀相すぎる!!こんな主人公は見たくない!って。。。 でも、それでも読まずにいられない! 陰陽伝が~作者がニクイ! みたいな感じでまたもずんずん読んでしまった。。 もうなんだか悲壮な主人公が辛い目にあわされればあわされるほどに、 どんどん艶めいて妖しく綺麗になっていっちゃうし・・・どーすんのよ!! そして、いつになったら救いが・・・・・・・。 憎いヤツに従う以外になすすべもなく・・・ 死にたいのに自分で死ねないのも地獄だ・・・・。 だからって心を殺すなんて。 あんな薄汚いヤツのために!! もうヤツらが憎らしくて憎らしくて!!!てめーら!ブッ○ロス!!! 愛する人とのつかの間の幸せと別れのシーン、 考えてみれば、紫野ちゃんの魂はひとつでも、 心は二つに裂かれているのかなあと思えたりして ひとつの悲しすぎる別れを、また別の誰かが癒してくれるんなら せめて今だけでも癒してあげて欲しいと・・・・。 やっと、本当に愛する人と結ばれる喜びを知って、 傷付けられた心と体が徐々に癒されて うんうん。よかったよおお。。と思ってほっとした。。。。 にしても結ばれる相手によってこうも違うとは~! 「力を得る」の「力」とは結ばれた相手次第で善にも悪にもなる、 危ういものなのね・・・。 最後の戦い。 愛する人と共に戦う二人の想いの強さが、美しかった~。 特に高香さんの後姿。惚れました。。。。 たくさんの辛い事を経験して、成長した紫野ちゃん。 これからも彼の運命は・・・・たぶん荒波に飲まれていくんだろうな・・・って。。。。 でも例えひどいやつらがどんなに紫野ちゃんの心を傷付けたとしても、 やつらは愛のある結びつきには敵わないんだって思う。 心の傷は生身の人間の温もりが一つ一つ触れて、やっと治るものなのかもしれません。 だからきっと、誰かを愛せる限りは紫野ちゃんも・誰でも、きっと負けない。。 負けるはずないっ!!って、思ったのです。 まだまだ紫野ちゃんは若いんだから、例え傷ついても、傷ついても 運命に負けないで欲しい。。。。 守られていながらも、愛する人を守れるほどに強くなって欲しい。 最後は愛する人と幸せになって欲しい。。。。 男・女としてと言うよりも、人間として、愛し愛されて幸せになって欲しい。。 心から神様(作者)にお願いしたい・・・! それから疾風と聖羅もまだまだいい男になって活躍しそうだし、 紫野ちゃんはこれからますます素敵になって 読者をドキドキハラハラ、悶々とさせて欲しいし・・・ 早く続きが読みたい!!!!と思ったのでした。 最後の一行。。。。最高!!! なんだか胸にズン・・・ときました。 そうなんだよ。人生って。 どんなに悲しい、どんなに辛い事があっても、歩き続けるの。 明日はきっと来るんだからね!! 紫野ちゃん、負けるな!!幸せを絶対掴むのよ! ・・・ラスト。 とても結びがさわやかなせいか、 あれだけ最初は読むの辛いシーンが多かったのに わたし的には読後感がなんともいえなくて、 もう一回読んじゃおうかな~~~~って・・・。。 これが 「はたがしら・よう まじっく」?! 刺激的な部分もあるので、人それぞれの感じ方があると思います。 でも全部を読んで心に残るのは、そういう激しいシーンよりも 主人公の生き様って言うか・・・ それとか何気ないシーンだったり・・・。 この本を手に取った人それぞれに、 きっと学びと気づきが、読んだ意味があるんだろうなあ。 私もあまり触れたくない部分を抉り出されたような気がして 感情的に読むのが辛かったところがあった反面、 読後色々考えていたら、ふっと気持ちが楽になったり・・・。 再読したら、また違った感想を持つかもしれない。。 私にとって、ちょっと今までにない、不思議な感じの本でした。 本というのは、読者の手に取られたときから 作者の思惑から離れて、読者一人一人の物語に なっていくんでしょうね。。 本って、子供と同じように思えました。 自分が産みだした子供(本)だけど、子供(本)は私そのものではなく、 子供(本)と出会うことで色々な人の人生も変化してゆく。。。 この子、不思議な縁でうちにお嫁入り(婿入り?)して来てくれたけど けっこうすごい子。。。 大切にするぞ~!! 最後に。 女性には無理やり支配されたい欲求もあると言われるとか?! 男の作った幻想なのか、真実なのか・・・。 デリケートなその部分にもガツンと来る話だったかな。。。。 これからもずっと、登場人物みんなの行く末を見守りたいな。 続編をみんなで期待しましょう!! 読み進むにつれて、読み返すたびに いろいろ考えさせてくれてた一冊でした。 この本との出会いに感謝。。。。 本との出会いは、ホントに素敵なものですね。 (ダジャレじゃないよ。) もし惹かれる部分があるなら、それはあなたの中の陰と陽かも。。。 陰陽伝の中の、自分自身と出会ってみてね! あなたにも、心を揺さぶる瞬間との出会いがありますように。。。! 『陰陽伝』レビュー♪【2】はコチラ! ジャンル別一覧
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